問題解決学習の問題点
現在の算数科では,問題解決学習が多く行われている.自治体によって呼び名が変わるものの,
①課題把握
②自力解決
③全体交流
④まとめ
のような流れが一般的である.「○○スタンダード 」のように,この形を推進している自治体もある.しかし,この形式の学習指導には多くの問題点があると私は考える.この形が綺麗に流れるほどに,授業に参加できない児童が増加し,算数が嫌いになり,主体的・対話的で深い授業からは遠ざかるのではないか.
①課題把握の問題点
・めあての押し付け(子どもの中に問いがない)
・課題を理解させたいがために,丁寧に説明しすぎて,子どもの心が離れていく
※いきなり「計算の仕方を考えよう」とか言われても,なんのことかさっぱり分からず,嫌になる.課題も興味をもてるものではなく,あぁまた嫌な時間が始まったと心が離れていく.
②自力解決
・そもそも自力解決した後に全体交流をする必要があるのか
・自力解決ができる問題を授業でする意味があるのか
・1分間考えても分からない問題を5分間考えさせられるのは,地獄の時間
・自力解決に挑めるだけの力が全員にない
・机間巡視をして,分からない子を見つけてはヒントを与えている等,もはや個別学習になっている
③全体交流
・発表の順番がパターン化され,教師の求める答えが発表されていく
・一部の勉強ができる人だけで話が進んでいく
・友だちの発言に興味がない
・今,なんの話をしているのか分からない
④まとめ
・まとめの押し付け
・「はかせどん」
・「楽しかったです.」などの何のためにしているのか分からないふりかえり