ひねくれ先生のブログ

30代公立小学校教員(算数が好き)が日々思うことを徒然なるままに書くブログ

主体的に聴く力を高める8つの切り返し

「全体交流で、子どもが発言した後に、授業者はなんて言えばいいのだろう?」

私が実践している8つの方法をまとめました。

 

①「Aさんが話したことをもう一度言える人?」

 声が小さかったり、聞き取りにくかったりで全員が聞けていない状態の時に、授業者が繰り返すのはNG。「友だちの発言を聞かなくても、先生の話を聞いていれば良い」と思わせてしまい、友だちの話を確実に聞かなくなる。

 この切り返しをすることで「聞いていないとまずい」と、聞き手にも負荷をかけることができ、聴く必然性を増すことが出来る。

 

②「Aさんが話したことをペアで確認して」 ③「Aさんが話したことについてどう思うか、グループで話して」

 ②と③はほぼ一緒だが、①と大きく違うのは全員にアウトプットの場を設けているということ。これをすることで、自分がちゃんと聴けていたのか、振り返ることが出来る。また聴けていなかった子や、一度聞いただけでは理解できない子も、この時間をとることで、授業についていくことができる。

 

④「Aさんが言いたいことを想像できる人?」

 うまく言えなかったり、途中で言葉に詰まったり…はよくある話。それを授業者が要約してしまうと、本人の自尊心を傷つけてしまう。①と同様で、友達の意見も聞かなくなる。

 この切り返しをすると、本人が「上手く言えなかった」と思っていても、意外と分かってくれている友達は多いことに気がつく。授業者が理解出来ていなくても、クラスの友だちが分かっているパターンも意外に多い。

 

⑤「Aさんの話したことが分からない人?」

  正解だけで進んでしまいそうな時に、一度授業のスピードを緩める方法。これをすることで置いてきぼりを防ぐ。ここで大切なのは「分からない」を悪者にしないこと。Aさんの説明で分からなければ、Bさんが違う言い方で説明しなければならない。

 

⑥「全員立ちましょう。Aさんの話したことが分かった人は座りましょう。」と分からない人を立たせて、座っている人に聞きにいかせる。

 ⑤の全員参加バージョン。自分が分かっているかどうかの判断させて、主体的に「分かりたい」と思わせる切り返し。「分からない人」に少し負荷をかけて聞きにいかせるのもポイントの1つ。使い所を間違えると、嫌になる子もいるので注意。

 

⑦「Aさんの言っていることが分からない。だって…」と反論する。

(Aさんが正解を言っていて、周りが分かっていない時)

 「分からない」を子どもが言えない時は、授業者が「分からない役」をするのが効果的。そうすることで、分からない子は安心して授業に参加できるし、分かっている子はどうにかして先生を分からせようと必死になる。「先生」が分からないことこそ主体的になる。

 

⑧「Aさんが話したことをノートに書いてね」

 話すだけでなく、書くことも立派なアウトプットの1つ。本文に線を引いてね、でもいい。全員が聞けているかどうかをチェックもできる。