価値のある学級目標の決め方
この時期になると、学級目標を決めます。学級目標は不要という意見もありますが、私は学級経営において欠かせないものだと思っています。もちろん、言葉だけ形式だけの学級目標では意味がありませんので、決め方が大切です。
- ①「学級目標って何?」を子どもに問う
- まず、決める前にそもそも「学級目標とは何か」を考えることが大切です。子どもたちから意見を引き出します。
- 「みんなのめあて」
- 「全員のゴール」
- などが出ることが多いです。
- ②チームスポーツに例える
- チームスポーツの目標は「勝利」。それに向かって力を尽くすから、チームメイトとの絆が深まる。
- 例えば、野球でエラーをしてしまった味方を攻め続けても「勝利」にはつながらない。いかに仲間を励まし、よりよいパフォーマンスができる状態にもっていくかが大切。時には厳しい言葉をかけることもあるだろうが、目標に向かって力を尽くす仲間だからこそである。こうして、「勝利」という目標に向かって、お互いに支え合い励まし合う中で、絆が深まっていく。
- 学級もそれと同じ。学級目標という「みんなのめあて」を共有するからこそ、友だちに対しての声かけが変わってくる。私達全員が「友達」になることは不可能だけれど、一緒にクラスをつくる「仲間」にはなれる。だからまずは、一人ひとりがどんなクラスにしたいのかをお互いに知ることが大切。そこから始めよう。
- ③ブレインストーミング「どんなクラスにしたい?」
- グループの形をつくり、付箋を配ります。
- 次のルールにのっとって、「どんなクラスにしたいか」を付箋に書かせていきます。
- 1,質より量
- 2,否定禁止
- 3,人のを真似ても良い
- とにかく量を書かせます。すると、色んな観点から「こんなクラスにしたい」というのを書いてくれます。ふざける子も出てきますが、基本無視でOKです。
- 例えば…
- いじめのないクラス、楽しいクラス、家族のように安心するクラス、ルールを守れるクラス、最後まであきらめないクラス、行事を頑張れるクラスなどなど
- 無数に出てきますが、筆が止まるまでこの時間をたっぷり取ります。
- ④分類わけ
- 大量に「こんなクラスにしたい」が出たところで3種類か4種類ぐらいに分類わけします。同じようなことを書いているの付箋を仲間わけをします。もちろん、子どもたちが自分たちでします。
- ⑤分類したものを漢字1文字で表す
- 例えば…
- 「愛」…愛情をもって (受け容れてくれる、誰でも気軽に話せる…)
- 「挑」…挑み (下学年の見本になる、失敗を恐れない、掃除を頑張る…)
- 「楽」…楽しく (毎日楽しいと思って学校に来れる、笑顔いっぱい…)
- 「守」…ルールを守る(廊下を走らない、ちゃんと注意できる…)
- ⑥それらを組み合わせてインパクトのある造語をつくる
- たとえば…
- 愛挑守楽(あいちょうしゅらく)
こうやって自分たちで作り上げたオリジナルの目標は、子どもたちの心に深く浸透します。決めた後も、ことあるごとに学級目標の話題を提示します。たとえば、「今日のAくんの声掛けはまさに『愛挑守楽』の『愛』だよね」というようにです。
こうすることで、学級経営上、非常に価値のある学級目標ができあがります。